【書評】『強運の持ち主』
『強運の持ち主』
-瀬尾まいこ著
毎朝欠かさず見る番組があります。
「めざましテレビ」なるものです。
月曜〜金曜のフジテレビにて朝の5時頃から8時頃までやってるあれです。
朝の番組に特にこだわりはないのだけれど、朝起きると一緒に住んでる人がめざましテレビをつけているのでついつい見ちゃう。
「今日のわんこ」とか動物苦手だけど見ちゃう。
なんだろうね、あれ。
寝ぼけ眼でボケーッとアホづらしながら可愛いわんこみちゃうんですよ。
95kgの23歳会社員が。
まぁでもオリーブオイルを大量にぶっかける料理を披露してたり、突然アイドルグループの元メンバーとと呼ばれちゃう人がやってた番組なんかを朝から見るよりはすっきりした気持ちで仕事に行けている気がします。
(決して嫌いな訳ではないですからね。Z○P派のみなさんごめんなさい)
私が「今日のわんこ」と同じ様に楽しみにしているコーナーがあります。
何だと思います?
「めざましジャンケン」ですか?
いいえ、違います。
僕がテレビに向かって拳を掲げジャンケンをする時は日曜夜7時に登場するイカしたヘアースタイルで磯の香りをまとった女性と決めているのです。
答えはそう、「めざまし占い」です!
毎朝大体「めざまし占い」を見てから会社に向かいます。
(案外優雅に出勤しているのです)
占いの結果に関してはほとんど気にかけないのですが、今日最も良い運勢に選ばれると少し気分良く出勤できます。
単純な生き物なんです、私ってのは。
(ちなみに私は水瓶座なのですが、最下位の確率が多い気がします。統計取ってる人がいたら何回最下位になっているのかこっそり教えてください)
まぁ占いの内容が当たろうが当たらまいが全く気にして無いんですけどね。
ダラダラと朝番組の話をしたのは、今回紹介する『強運の持ち主』という本も占いをテーマにした小説だからです。
この本はOLから転職した女性占い師が主人公のオムニバス的短編集になっています。
元営業ウーマンの女性が占い師に弟子入りして修行。
その後独立して大型ショッピングモールの一角で店を構え、そこで起きる様々なことが短編になって描かれています。
そんな本書はどんな本なのか。
つらつらと書いて参りたいと思います。
「もうひと押し!」をくれる本
どんな本かって言われると難しいんだけど、こんな言葉が適切なように感じました!
「もうひと押し!」をくれる本。
ただ読者がひと押しされると言う感覚とはまた少し違うかもしれません。
というのも、各短編の登場人物達こそが占いを通してひと押しされているからです。
なんというか励まされ一歩進んでいく彼達・彼女達が読者に元気を与えてくれるような感覚が僕自身読んでてありました。
主人公は元々営業職をしていたこともあり、様々なことを憶えるのも得意で、人間観察も身に付いており、少し話せばお客さんがどのようなタイプなのかわかってしまうのです。
なので、真面目に本を使って売らないはしません。
どちらかと言うとお悩み相談室に近い形で占いをしています。
それでも繁盛しているのは彼女は絶対にポジティブなことしか言わないからです。
結局我々は自分のことを「もうひと押し!」してくれる言葉が欲しい物なんでしょう。
面接がうまく行くか悩んでいるひとに、「あなたのうまれた星の運勢は今日人との関わりがうまく行く日です。面接うまく行くでしょう」なんて言われたら嘘でもうまいこといきそうですよね。
結局悩んだときは目に見えない何かにすがりたいんでしょうね。
どんなに本当のことであってもそのまま伝えることで相手が喜ぶとは限りません。
言わなくて良いこともたくさんあるでしょう。
けれども、例え望んだ結果がでないとわかっていても言葉で相手の背中を押してあげることはできます。
みんながみんな占い師にならなくても良いけど、悩んでいる人たちを一歩前に進ませてあげられるような言葉をかけられるような人間になれたらなぁなんて読了した今、ふと思いました。
何か悩みがある人、気楽に占ってもらいにいってみてはいかがでしょうか?
きっと良いことありますよ。
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