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趣味:読書の会社員が気ままに綴る書評・読書記録のブログ

【書評】『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』

『女の甲冑、来たり脱いだり毎日が戦なり。』

-ジェーン・スー

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『纏う女』の登場は、20代前半突然に

大学を卒業して社会人になれてきた社会人2年目の秋、年齢も24〜25歳で名実共に大人の仲間入りしたのだとちょっとした実感を持った頃、彼女らは突然現れる。

 

『纏う女』たちの登場だ。

 

平日の仕事終わりはジムに通い、休日は朝から活動。もちろん目的はヨガ。

食事はビーガンでベジタリアンでデザートはアサイーで。

趣味はもちろん旅行。

お酒だって今まで飲んだこともないワインなんかを嗜んでいる雰囲気を醸し出して、ドラマでしか見たことのないようなバーでグラスを傾け、「この時間が幸せ」なんて呟いちゃうような女性。

誤解しないで頂きたいが、そういった女性に対して嫌悪感を抱いている訳ではないんです。(心当たりがあるそこのあなた!嫌いじゃないですからね!ひがみですからね!)

なんだか不思議なんだけど、人間ある一定の年齢に到達して小金を手にすると誰でもこのように"充実"を具現化したようなモノで身を固めようとする物なのでしょうか?

 

自分が大学生の頃を振り返ると、『ぶってる人orかぶれてる人』は多く見受けられました。

 

「酒は詳しいから俺に任せろよ」(大学3年生の僕)

「ニューヨーク行って価値観変わったよ〜」(大学2年生の春休みの俺)

「終活って甘くないの。後輩のみんなには納得した就活してほしいな」(大学4年生の私)

 

タイムマシンがあるなら全ての時代に戻って一発頬にお見舞いしてやりたいくらい気持ちですが、学生の頃はこのような人が僕以外にもたくさんいました。

(所属が外国語学部であったせいか、中でも"海外かぶれ"は多かったような気がします。ブログを読んでるあなた、あなたですよ。)

 

けれども前述したような何かを纏っているような人はさほど多くなかったように思います。

やっぱり社会人になってからなのです。

追記するなら男性はあまり纏いません。

きっとバカなんでしょうね。なんでもいいんです、男ってのは。

 

きっとここまで話すと皆さん頭の中で容易に"纏っている友人"を想像できることでしょう。昨今インスタグラムがありますからね、開けば1人くらい纏ってるはずです。

 

 

著者のジレンマがユニークに踊るエッセイ集

「おいおい、お前の歪んだフィルターで見た世界をブログに書く暇あるならジムでも通って身体鍛えろ」という鋭い指摘を頂きそうなので、私が思う『纏う女』の特徴話は一旦置いておいて、いい加減この本の話をしようと思う。

 

この本はジェーン・スーさんという音楽プロデューサーをされている方のエッセイ集です。(その他多数の方面でご活躍なされています)

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タイトル『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』とあるように、まさに『纏う女』に対してのジェーンスーさんの体験だったり、自分が纏えないコトなんかを、ユーモアたっぷりな表現で綴っています。

イメージだと小説家の森見登美彦さんの様な文体に触れている感覚がありました。

少し堅苦しい言い回しもありますが、逆に内容がくだけているのでそのギャップがハマると癖になるといった感じですね。

 

『纏う女』に対しては尊敬の念は持ちつつも、自身のコンプレックスと天の邪鬼な性格からうまく纏えないジェーンスーさんの経験が描かれたエッセイ達は、まさに帯にもあるような"私だってと私なんかのせめぎ合い"なのです。

 

ちなみに全33本のエッセイの中でも、私が選ぶベスト3はこちら!

・赤い口紅

・ヨガってみたはいいけれど

・「手」のつく料理

実際に身の回りにおきていることを女性ならではの感覚で描かれているのが大変面白い3本でした。

記念では多様化が進み男性も化粧をする時代ですが、化粧をしない私なんかは「赤い口紅」の話は女性の葛藤が綴られていて大変興味深く読めましたね。

そういった意味では女性だけではなく男性が読んでも楽しい一冊に仕上がっていると思います。

 

決して綺麗ではない女心の ジレンマがジェーンスーさんのユニークなワードセンスの文章の中で活き活きと踊っていて、ニターッと笑えるような一冊です。

文庫版は¥648円とお求めしやすい価格ですし、200ページ程度なのでサクッと気軽に読むことできます!

男女問わず愉快に読める一冊になってますので、どうぞニターッと笑いながら読んでみてください。

 

 

 

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