【書評】吉本ばななさんの『おとなになるってどんなこと?』を読み終えて
『おとなになるってどんなこと?』
-吉本ばなな著
久しぶりにブログを更新しようと思った
読みたい本と出会うのはいつも偶然で、本書とは駅で人を待っているのに飽きて、近くの百貨店に入っている紀伊國屋書店で暇をつぶしている時に見つけた。
平積みされていたこの本のタイトル『おとなになるってどんなこと?』が目に飛び込んできたのだ。
「割と薄い本で挿絵も入ってるし待ってる間にサクッと読み終えるでしょ」なんて軽い気持ちになって、気づけばレジで会計を済ませており、駅の近くのベンチで読み始めた。
結局待っている時は、最初の問い2門までしか読み終えられなかったけれどその素敵な内容に「あっ、久しぶりにブログを更新しよう」と思えた。最近はもっぱらインスタグラムに毎日日記を更新しているばかりで、ブログの更新を怠っていたのだけれど、今後も週に1回を目標に更新していこうと思う。
あらすじ
~目次~
第1問 おとなになるってどんなこと?
第2問 勉強しなくちゃダメ?
第3問 友達って何?
第4問 普通ってどういうこと?
第5問 死んだらどうなるの?
第6問 年をとるのはいいこと?
第7問 生きることに意味があるの?
第8問 頑張るってなに?
本書は8つの答えがない問いに対して、吉本ばななさんの考えが綴られています。
友達って何?年をとるのはいいこと?
8つの問いの中で、私の印象に残った答えはいくつもあるけれど、その中でもこの2つの問いは大変肩の力を楽にしてくれました。
「友達って何?」では、「果たして人生に多くの友達が必要か?」と吉本ばななさんは説いていて、長い時間をかけて本当の友人になっていくと書いています。
そんなことを恋愛に置き換えて説明しているのですが、"たとえその人とセックスしていても、お互いが「あなたがとても好きです、恋人と呼んでもいいですか?」と約束を交わさないと恋人とは呼べません"と綴ってます。
なんとなくこれってわかるんですよね。
なんだろ、一回飲みにいっただけで友達かっていわれれば難しいし、その人のことなんてわかりませんしね。
他人と自分の関係に名前をつけることが大人になると当たり前にあって、友達が多ければ多いほどいいとされてたりもするけれど、なんだかそれって少し寂しいなって気持ちもあるし。
この部分を読んだ時、名前をつけられない関係の人が側にいても良いなって思えましたし何より友達と呼べる人が少なくてもそれはそれで良いなって思えまして大変楽な気持ちになりました。
同じくですが「年をとるのはいいこと?」では、冒頭で「良いことだし、年齢が一つでも上ならその人のことを無条件に尊敬すべきだ」と断言されています。
これもまた私を楽にしてくれました。
プライドが高い方の私は、年齢が上の方でも、自分の方が優れていると勝手に判断してしまうとついつい態度がなめ腐ってしまう時があります。
大体そういう態度を取ると人生損します。
(出世が遠のくとか嫌われるとか)
どうして吉本ばななさんは無条件に年上の方を尊敬されているのかと言うと、その方が楽だからそうです。
なるほどなと思いました。
今まで片意地張って「負けないように!」と気張っていましたけど、なんだかそんなのホント時間の無駄だったなって思いました。
自己啓発本なんかを読むとその辺のことが意識高く書かれていたりしますけど、吉本ばななさんのこの「楽だから」というシンプルな答えは大変気楽にさせられました。
尊敬してれば嫌なこと言われても流せますしね。
流せなくても「歳上だからしかたない」くらいで居た方が気持ち的に楽ですし敵も作らないでしょう。
社会人3年目を目前として、襟元をただす良い機会になりました。
皆さんは答えられますか?
どれも生きていれば多かれ少なかれ考えるよてしまうようなこの8つの質問に、果たして皆さんは自分の答えをお持ちでしょうか?
恥ずかしながら私は答えを持っていません。
通勤中の電車の中や、友達と遊んでいる時、何かに熱中している時や祖母が他界した時。
様々なシーンで考えることはあるけれど自分の中で答えを出すことはできません。
もしそのどれもに答えを持っているのならそれはあなたが大変芯のある人で、自分のことを褒めてあげるべきです。
ただ、大半はそうではないと思います。
居酒屋で友達と「普通の人間にはなりたくねぇよなぁ」なんて会話をする人はいても「じゃあ普通って何よ?」って深くまで掘り下げる人はあまりいないでしょう。
けれどそんな人も「自分は芯のない人間でダメだなぁ」なんて嘆く必要はないのです。
ただ、こういった"考えはするけれど答えを出そうとは思わない"ような質問に対して、自分で答えを出している人の考えに触れてみるのもいいもんですよ。
『おとなになるってどんなこと?』は、まさにそんな機会をくれた一冊でした。
皆さんもぜひおうちに一冊いかがでしょうか?
寝る前に読むと心穏やかになりますよ。
吉本ばななさんの温かい言葉が優しくあなたを迎え入れてくれるはずです。
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【書評】仕事に疲れたあなた必読!『この世にたやすい仕事はない』津村記久子著
『この世にたやすい仕事はない』
-津村記久子著
好きなことしか仕事にしたくないなんて贅沢だ!
「好きなことしか仕事にしたくないなんて贅沢だ!」
と、心の中で大きな声で叫んでみても現実はそうもいかない。
みんな生きるのに必死でやりたくない仕事でも生活のために働いている。
誰だって好きなことを仕事にしたいと思うだろうし、実際好きなことを仕事にできている人もいるだろう。
しかし、幼いころから憧れていた仕事であっても何も悩みがなく仕事ができている人は稀ではなかろうか。
どんなに好きな仕事ですら何かしらの悩みがあるわけで、それでも生活を営んでいかなくてはならないのが人生である。
そう思うととたんに「はぁ、俺の人生は何の為にあるのよ」と勝手に哲学チックな勧化に至ったりする。
ただ好きな仕事以外の仕事でも、好きになれることはある。
学生時代私は出版社に勤めて編集者になりたかったけれど、今は健康食品の営業をしている。
今の仕事がやりたい仕事ではないけれど、案外楽しいし自分には向いているなーと思ったりもする日々だ。
前置きが長くなったが今回ご紹介する『この世にたやすい仕事はない』は、長年勤めた会社を退職し、その後転職を繰り返す女性主人公を描いた、オムニバス的お仕事エンタメ小説です。
"好きを仕事に!"とは少し違うけど、そんなお仕事小説を紹介します。
仕事を変える事って悪いこと?
この小説の主人公はとにかく早いスパンで転職を繰り返す。
1社目の会社には14年勤めたのだが、熱心に仕事に取り組みすぎた故、燃え尽きて仕事を退職し、それからは凡そ1年~2年の間に何社も渡り歩く。
時に「ある人を監視する仕事」であったり。
時に「お菓子の袋裏の小さなコーナーを企画する仕事」であったり。
時に「町内のポスターを張り替える仕事」であったり。
他にもユニークな仕事に彼女は就く。
なぜ彼女は仕事を転々としてしまうのか?
14年勤めて燃え尽きた経験から職安の女性職員より、「あなたは頑張りすぎてはいけません。あまり職場に干渉し過ぎないことです」と言うような言葉を貰ってもついつい彼女は頑張りすぎてしまい、その職に疲れて次の職場へと飛んでいく。
読んでいて終始考えていたのは、この"頑張りすぎる"という点である。
仕事を変える人が全員"辛抱がなくて打たれ弱い"だとか"我慢が足りない"だとか"ゆとり世代だから"だとかそういった人ばかりではない。
ついつい本気になりすぎて頑張りすぎてしまうがあまり、その仕事・職場が嫌いになってしまうことが多々あるという事だ。
正直、人間関係にもほとんど関与せずに仕事もなぁなぁにできる人であれば、会社員ほど楽な仕事はない。
これは社会人になってからひしひしと感じており、社会人の真理とも言える。
けれどついついまじめで頑張ってしまう本書の主人公のような人は、真剣に向き合うがあまり疲弊してしまう。
これを加味して考えたとき、「仕事を変える事って悪いこと?」とついぼやいてしまう。
もちろん転職を肯定しているわけではないし、ころころ仕事を変えることはいかがなものかと私自身も思ったりする。
けれど、仕事を頻繁に変えている人が"人間として失格だ!"とひとくくりにするのもいかがなものかと本書を読んで感じた。
どう仕事と向き合って生きていくか
お仕事エンタメ小説ということもあり、その職場職場で様々な"そんな仕事のあるある"的騒動が巻き起こり、その結果次の職場へと移っていく主人公。
毎回職安の社員から紹介される仕事にとりあえず挑戦し、違ったら辞めてを繰り返していく。
「彼女はどんなスタンスで仕事と向き合っていたんだろう?」
途中まで読んだ私の感想はこれである。
よく言う"あなたの軸は?""何を大切にしていますか?"みたいなことが見えてこないのだ。
けれども彼女は日々をそれなりに楽しみ、生活を続けている。
しかし、最後まで読んで肩の力がスッと楽になった。
最後の話で彼女は自分の心に気が付きやりたい仕事に出会うのである。
それは彼女が14年間続けた会社で行っていた業務と同じ業界。
私はこの最終話を読んだときに、「あぁもっと気楽に生きよう」と思えた。
どんなに遠回りをしても自分のやりたい仕事・やるべき仕事というのはいつか見つかると思えたからだ。
今がツラい人は辞めてもいい。
ムリをしない。
一度しかない人生なわけだしゆっくり進む時間があっても悪くない。
仕事に疲れている皆さん。
ぜひご一読を!!!!!
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【書評】森見登美彦最新刊『熱帯』は怪作であった【直木賞候補作品】
『熱帯』-森見登美彦著
怪作との出会い
師走の忙しさも落ち着き、年末ムードのこの季節みなさんいかがお過ごしでしょうか?
風邪やらなんやらで体調崩しやすいこの時期ですのでくれぐれもご自愛くださいませ。
さてさて、私には年末の仕事量に忙殺されながらも発売を楽しみにしていた小説がありました。
大ファンである森見登美彦氏の『熱帯』です。
季節と裏腹なタイトルなのが登美彦らしいなぁなんて少し思ったりもします。
11月16日発売でしたが、中々のお値段であるため少し購入を渋っていたのですが、12月の頭には抑えきれない欲求に負け、本書を胸に抱えて家に帰ったのでした。
装丁には本の島に座る達磨と男が描かれており、コレはい一体何を意味するのか・・・
期待に胸躍らせてページを開くと、物語は次の一文から始まったのです。
”汝にかかわりなきことを語るなかれ しからずんば汝は好まざることを聞くならん"
おいおい登美彦…ワクワクすんじゃんかよ…
マトリョーシカ人形のような物語の展開
「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」
一冊の『熱帯』という本が謎を呼び、物語が物語を運んでくるような、正にマトリョーシカで遊ぶように次々とつながれていく展開となっております。
物語の途中まで、登場人物が『熱帯』という怪書に翻弄される様が続きを早く読みたいと焦らせるほどの疾走感で描かれております。
作中には"沈黙読書会" "暴夜書房" "千一夜物語"等、興味をそそられるキーワードが無数に散りばめられており、そのイチイチが頭に残るので読んでて愉快です。
その最中に登場する点と点が繋がって線になっていくのが楽しく、ある一定地点までは大変素直に読めました。
しかし、ある瞬間からいきなり宇宙に飛ばされるような感覚に陥ります。
物語が180度転換し、違う物語になるのです。
その物語が奇想天外摩訶不思議夢話で面白いけれど、今までの話とまるっきり違う話が挫折しかけました(笑)
けれど、その一見「なんのこっちゃ?」と言うような領域を抜けると語られていたことの意味などが分かりましたんでなんとか報われた気持ちになりましたが。
その領域を抜けた後はクライマックスまで改めてマトリョーシカが始まり、最後のオチまで駆け抜けていきます。
物語が物語を呼び、いつの間にか現実か虚構か。
今読んでいるこの本はなんなのか。
思考が巡る展開。
「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」
この意味が最後最後のページでわかり、ぞわーっとしつつも熱い気持ちになりました。
今年一番の奇妙な読書体験
今年も色々と小説を読みましたが、間違いなくNO.1の奇書でした。
読了した今でもなんだか頭がグルグルするような読書体験は今年は言わず、今まで読んできた小説の中では群を抜いていたような気がします。
500ページ以上に渡る、『熱帯』と言う名の海の大航海は嵐が吹き荒れ、難破し、最終的に陸に打ち上げられたような感覚です。
普通の小説を読むのに飽きた方や、登美彦の変態的な小説体験をしたい方なんかには間違いなく楽しめる一冊です!!
ゆっくりとした年末年始を過ごしたかったり、帰省の電車で何もすることがない人なんかにも腰を据えて読める一冊なのでお勧めです!!
(ただ、普段読書をしない方には、ページ数も多いためあまりプッシュできないのが残念です・・・!!)
ぜひぜひお手に取って奇妙な読書の冒険へ出かけてみてください!!
↓最短で明日には届きます!『熱帯』の門は開かれるのを待っている!
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【クリスマス】クリスマスプレゼントで送りたい絵本3選
【クリスマス】クリスマスプレゼントで渡したい絵本3選
やってくる!クリスマスがやってくるぞ!
「ク~リスマスが今年もやーってくる♪」
11月の紅葉もすっかり消え去り12月も中旬に差し掛かろうとしている今、街はクリスマスムード一色ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
この季節になると、竹内まりあに毒された素敵なホリディ症候群の幸せな人々が街に沢山いて、幸せを分けてもらえるような気がしてます。
実際にクリスマスが近づいてくるとウキウキ気分で「あの人へプレゼントは何をあげようかな~?」と考えている 人も多いのではないでしょうか?
だけど「師走の忙しさでそんなの考えてる余裕がない!」という人もいることでしょう。
そこで今回は貰ってうれしい、読んで楽しい、眺めてうっとりのプレゼントに最適な"絵本"3選をお送りいたします!!
①『えんとつ町のプペル』
少し前の記事で紹介したキンコン西野さんの絵本です!
何かと話題の西野さんが、絵本の作成から売り方まで考えに考え抜いた渾身の一冊!
分業制で書かれているこの絵本はとにかく書き込みが凄く、細部にわたって綺麗な絵と共に物語が描かれており、見惚れるばかりです。
ストーリーも泣かせてくる友情物語で、悔しいと思いながら感動してしまいます。
今後映画化や美術館建設までもくろんでいる成長していく絵本です!
「芸人が描いた絵本」とあなどるなかれ!
感嘆間違いなしの一冊!
ギフトに悩んでるそこのあなた!
もう一度言います、間違いないです!
②『クリスマスのこねこたち』
アン・モーティマーさんと言う方が絵を描かれた一冊で、サンタと3匹の子猫のお話です。
この絵本のおススメは描かれている子猫たちがまぁかわいいところなんです。
クリスマスの雰囲気にぴったり合うような温かみの溢れる絵たちと優しく心温まる物語がクリスマスムードを一気に引き立ててくれることでしょう。
甥っ子姪っ子にプレゼントしたり、お子さんがいらっしゃるご友人にプレゼントするのにお勧めです!!
暖かい絵と物語が、さらに素敵なクリスマスを演出してくれるはずです!
③『ねずみくんのクリスマス』
絵本作家なかえよしをさんの作品です。
お相手のねみちゃんを驚かせようと奮闘するねずみくんが大変愛らしく描かれていて、なんとも微笑ましく読めてしまう一冊です!
ねずみくんやねみちゃんよりも大きい生き物達が、「自分の持っているツリーの方が大きいぞ!」とからかう姿もコミカルに描かれていて、動物たちの笑い声なんかは読み聞かせの時に盛り上がること間違いなし!!
最後にアッと驚く仕掛けがされていて、サプライズなしかけ絵本としても楽しめます♪
おうちにたくさんの子供たちが集まるようなご家庭に御呼ばれしたときなんかにプレゼントとして持参し、読み聞かせてあげたら人気者になること間違いなしです!!
最後に
12月は街全体が幸せムードで浮足立ってますよね。
きっとそれはみんながそれぞれ誰かのことを考えているからなのではないでしょうか?
「クリスマスには何をあげようかな」
「誰とクリスマスを過ごそうかな」
「パーティーには誰を呼ぼうかな」
なーんて考えてるうちに自然と顔がほころんできたりするものなのかななんて。
そんなことを考える時、今回紹介した本をプレゼントしてみるのはいかがでしょうか?
普段自分で買わないモノだからこそ、人からもらって嬉しいプレゼントかなぁと個人的に思います。
遠方に住んでる方にはクリスマスカードを忍ばせてプレゼントしてあげれば思いがより一層伝わるかもしれません。
誰とでも簡単に繋がれるネット社会だからこそ、今大切にしているご友人や家族に絵本をプレゼントして、絵本を通じてより良い関係を深めていってもらえればと思います。
和気藹々の中心にこれらの絵本たちがなればいいなーと願ってます!
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【書評】『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』
『女の甲冑、来たり脱いだり毎日が戦なり。』
-ジェーン・スー著
『纏う女』の登場は、20代前半突然に
大学を卒業して社会人になれてきた社会人2年目の秋、年齢も24〜25歳で名実共に大人の仲間入りしたのだとちょっとした実感を持った頃、彼女らは突然現れる。
『纏う女』たちの登場だ。
平日の仕事終わりはジムに通い、休日は朝から活動。もちろん目的はヨガ。
趣味はもちろん旅行。
お酒だって今まで飲んだこともないワインなんかを嗜んでいる雰囲気を醸し出して、ドラマでしか見たことのないようなバーでグラスを傾け、「この時間が幸せ」なんて呟いちゃうような女性。
誤解しないで頂きたいが、そういった女性に対して嫌悪感を抱いている訳ではないんです。(心当たりがあるそこのあなた!嫌いじゃないですからね!ひがみですからね!)
なんだか不思議なんだけど、人間ある一定の年齢に到達して小金を手にすると誰でもこのように"充実"を具現化したようなモノで身を固めようとする物なのでしょうか?
自分が大学生の頃を振り返ると、『ぶってる人orかぶれてる人』は多く見受けられました。
「酒は詳しいから俺に任せろよ」(大学3年生の僕)
「ニューヨーク行って価値観変わったよ〜」(大学2年生の春休みの俺)
「終活って甘くないの。後輩のみんなには納得した就活してほしいな」(大学4年生の私)
タイムマシンがあるなら全ての時代に戻って一発頬にお見舞いしてやりたいくらい気持ちですが、学生の頃はこのような人が僕以外にもたくさんいました。
(所属が外国語学部であったせいか、中でも"海外かぶれ"は多かったような気がします。ブログを読んでるあなた、あなたですよ。)
けれども前述したような何かを纏っているような人はさほど多くなかったように思います。
やっぱり社会人になってからなのです。
追記するなら男性はあまり纏いません。
きっとバカなんでしょうね。なんでもいいんです、男ってのは。
きっとここまで話すと皆さん頭の中で容易に"纏っている友人"を想像できることでしょう。昨今インスタグラムがありますからね、開けば1人くらい纏ってるはずです。
著者のジレンマがユニークに踊るエッセイ集
「おいおい、お前の歪んだフィルターで見た世界をブログに書く暇あるならジムでも通って身体鍛えろ」という鋭い指摘を頂きそうなので、私が思う『纏う女』の特徴話は一旦置いておいて、いい加減この本の話をしようと思う。
この本はジェーン・スーさんという音楽プロデューサーをされている方のエッセイ集です。(その他多数の方面でご活躍なされています)
Twitterがありますので気になる人はフォローしてみてください!
タイトル『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』とあるように、まさに『纏う女』に対してのジェーンスーさんの体験だったり、自分が纏えないコトなんかを、ユーモアたっぷりな表現で綴っています。
イメージだと小説家の森見登美彦さんの様な文体に触れている感覚がありました。
少し堅苦しい言い回しもありますが、逆に内容がくだけているのでそのギャップがハマると癖になるといった感じですね。
『纏う女』に対しては尊敬の念は持ちつつも、自身のコンプレックスと天の邪鬼な性格からうまく纏えないジェーンスーさんの経験が描かれたエッセイ達は、まさに帯にもあるような"私だってと私なんかのせめぎ合い"なのです。
ちなみに全33本のエッセイの中でも、私が選ぶベスト3はこちら!
・赤い口紅
・ヨガってみたはいいけれど
・「手」のつく料理
実際に身の回りにおきていることを女性ならではの感覚で描かれているのが大変面白い3本でした。
記念では多様化が進み男性も化粧をする時代ですが、化粧をしない私なんかは「赤い口紅」の話は女性の葛藤が綴られていて大変興味深く読めましたね。
そういった意味では女性だけではなく男性が読んでも楽しい一冊に仕上がっていると思います。
決して綺麗ではない女心の ジレンマがジェーンスーさんのユニークなワードセンスの文章の中で活き活きと踊っていて、ニターッと笑えるような一冊です。
文庫版は¥648円とお求めしやすい価格ですし、200ページ程度なのでサクッと気軽に読むことできます!
男女問わず愉快に読める一冊になってますので、どうぞニターッと笑いながら読んでみてください。
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